この写真をご覧になって『懐かしいなあ』と思われた方も沢山いらっしゃると思います。
スピーカーがSANSUI LE8T、プレーヤーがTechnics SL-1200、カセットデッキがTechnics RS-275CUで、
いづれも1973年頃に発売され、もう40年以上前のものですが、当時から物は大切に使う方なので状態は良いと思います。
プレーヤーとカセットデッキは高校時代に父親に無理を言って買ってもらいましたが、¥65,800、¥59,800と
当時としては随分と無理を聞いてくれたと感謝しています。
社会人になり新たな機種を購入してからは2台とも押し入れの奥で冬眠状態でした。
奥さんからの『押し入れを広くして』という一声が無ければ今でも冬眠中だったと思います。
流石に冬眠から覚まそうとしたところ上手く動きませんでしたが、分解して調べたところプレーヤーはサーボ回路のコンデンサー抜け、カセットデッキはソレノイドの不具合と幸い大きな故障では無かったために自分で修理が出来ました。
プレーヤーはLUXMAN SQ-38FDに繋ぎ、LE8Tで音出しをします。
プレーヤーのカートリッジは当時使っていたSHURE V-15TypeⅢを引っ張り出して、プレーヤーを使用するための儀式?を行いました。
プレーヤー(ターンテーブル上のレコード)を水平にするためSL-1200の足を回転させて高さ調整を行います。
次に、オーバーハングを調整するためヘッドシェルのネジを緩め針先がシェルのお尻から52mmに合わせ、そして
盤面とアームの水平を確認し、針圧調整の0バランスをとり、針圧を1.2gにしてインサイドフォースキャンセラーをセットして儀式完了です。
迷いながら最初にかけたレコードは、これも73年に発売された荒井由美の「ひこうき雲」です。
いやいや懐かしいです!
今とは違うキーが高く、張りのある若々しい(失礼)ユーミンの歌声が蘇りました。
個人的な意見ですが、ユーミン初期の2タイトル「ひこうき雲」「ミスリム」は特に素晴らしい出来で、今なおユーミンの最高傑作だと思っています。
40年以上前のプレーヤーとして今見ても良くできていると思います。
この後のSL-1200 MK2からクォーツロックになりピッチコントロールをスライドレバーで行えるようにしてDJ仕様になっていったように思います。
非常にコンパクトですが、直径330mm、重さ1.75kg、慣性質量310kg ・㎠を持ち、アルミダイキャスト製の堅牢なキャビネットと、内部やインシュレーターに施された振動対策によって高い耐振性を備えていました。
最近Technics SL-1200Gと言うSL-1200の最新モデルが発売されました。
Technicsブランドのプレーヤー復活を嬉しく思う反面、残念に思う事もありました。
私は良く設計されたダイレクト・ドライブには何の心配もありませんが、音楽愛好家をターゲットにしているのならSL-1200 MK2以降に付けられたスピード調整用のスライドレバーは不用だったと思います。
このスライドレバーは、DJからの要望でアームの近くに大きなスライド幅を設けて付けられたという事を聞いた事があります。この結果、DJからは最高のDJ用プレーヤーとして認知されたとか。
しかしTechnicsが40年振りにオーディオ用として、30万円を超える価格にもかかわらずスライドレバーを含めSL-1200 MK2とほぼ同一デザインという所は本当に残念です。
金型を共用してコストを下げたい事も理解できますが・・・
復活から半年後、ようやくNS-1000Mのマルチアンプ化に踏み切りました。
NS-1000Mをマルチアンプ駆動させるために内蔵されているネットワークを取り外しました。
写真以外にもコイルや更に大きなコンデンサーなどもあり、かなり力を入れたネットワークだと思います。
電解コンデンサーを使いながらあれだけ繋がりの良い音を聴かせることは至難の業では無いでしょうか。
でも、ネットワークに使われているコンデンサーや抵抗などを排除してアンプの出力を各スピーカーにダイレクトに伝えたらもっと良い音になるのでは・・・・
ALTEC A5もHS-500もマルチアンプにして生まれ変わったので
NS-1000Mも同様にしてみました。
内蔵のネットワークのクロスオーバー周波数は、500Hzと6,000Hz、-12dBOct 正相で繋がれています。
NS-1000Mの復活から半年間ネットワークでじっくり聴いたので、細かな特徴までわかったつもりです。
まずは※dbx DriveRack4800を使い付属のネットワークと同じクロスオーバー周波数で繋いでみました。
ネットワークを同じクロスオーバー周波数で繋いだだけでも音は変わりました。
元々透明感のあるスピーカーでしたが、より透明度が増したような鳴り方で、低域まで見晴らしが良くなりかなり満足のいく音となりました。
しかし、ネットワークでも感じていましたが、高域に独特の華やかさがあり良くも悪くもNS-1000Mの特徴として感じられます。
(画像クリックで拡大します。)
オリジナルのネットワークと同様に
fo 〜 500Hz -12dB Oct
500Hz 〜 6,000Hz -12dB Oct
6,000Hz 〜 20,000Hz -12dB Oct
試行錯誤して現在繋いでいる状態図。
500Hzは同様ですが、スコーカーの受け持ち帯域を少し狭め、SWで最低域を伸ばしました。
fo 〜 40Hz -48dB Oct
40Hz 〜 500Hz -12dB Oct
500Hz 〜 4,000Hz -24dB Oct
4,000Hz 〜 20,000Hz -24dB Oct
この華やかさを少しだけ抑えたいと思い、グラフィックイコライザーで5,000Hz〜6,000Hzあたりを1〜2dB程度下げてみましたが途端に輝きが失われてしまいます。
そこで、スコーカーとツィーターのクロスオーバー周波数を変更してみることにしました。
こんな事をネットワーク回路で行えば大変な時間とお金が必要となりますが、DriveRack4800で行えば簡単に変更ができます。
現在は、SWも加えた4Wayで、スコーカーの帯域を若干抑え、その分ツィーターに頑張ってもらっています。
僅かに華やかさが減少しましたが、透明感のある美しい高域は健在です。
以前JBLの4343BXWや4344をマルチアンプで鳴らしていましたが、それらに比べるとNS-1000Mは本当に素直な特性です。
極端かも知れませんが、音のルーツは日本のモニタースピーカーの代表的存在だったDIATONE 2S-305などに
近いのだと思います。
4343や4344は大型エンクロージャーの余裕から圧倒的な力強さはありますが、NS-1000Mのような透明感は出せませんでした。
比較的小型であることや、使用スピーカーの発音位置が近いこともあり音像が大きくならず、音場感も十分に再現できます。
NS-1000Mをマルチ駆動してから1ヶ月も経っていません。
愛情を持って使い込んで行けばさらに良い音を出してくれると思います。
HS-500も誕生から既に40年も経っていますが、音の魅力は衰えるどころか、手を加えることにより最新のスピーカーに負けず音楽を奏でてくれます。
最近拙宅に来られたK&Kさんや、すのゆのさんも同様に聴かれたようです。
HS-500のエンクロージャーをWoodWillで新しく作ってもらいWoodWill版HS-500となったことで、明らかに音のクォリティ、音場感が増したことに味を占めたので、NS-1000MもWoodWillでエンクロージャーを作ってもらおうと計画しています。
私自身驚いていますが、DriveRack4800で僅かな補整しかしていないのに試聴位置でピンクノイズを発生させNS-1000Mで出力しリアルタイムアナライザーで測定したところ図のようになりました。
何ともスゴイスピーカーです。
(横軸はひと目盛り3dBです。)
ドームスコーカーが断線していて使用出来なかったYAMAHAの1000Mが眠っていました。
いつか修理しようと思っていたところ、手ごろな価格で程度の良い1000Mをオークションで見つけました。
ドームスコーカーの修理代と余り変わらなく落札できたので、手持ちの1000Mと落札した1000Mを組合わせて新1000Mを完成させることにしました。
各ユニットをバッフルから取り外してクリーニングして出来る部分は塗装もおこないました。
個人的には夏休みの図工の宿題といった感覚でやりましたが、まあまあ良く出来たと思います。
(クリックして見て下さい。)
LE8Tには休暇を取ってもらい、その席にNS-1000Mが座りました。
以前は、JBL-4343BWX、JBL-4344MK2 など4Way + マルチチャンネルなどで約25年いろいろと試行錯誤しながら個人的に満足できる音にすることが出来ました。しかしユニット数が多いことのメリット、デメリットも同時に感じていました。
そんな中で、現在はALTEC A5やLo-D HS-500のような2Wayのスピーカーに 〜 40Hz ・ 16,000Hz 〜 の両端を
サブ・ウーファーとスーパーツィーターにより追加する形で満足しています。
NS-1000Mは3Wayですが、中域を担う88mmのドーム型スコーカー(JA-0801)がとても優秀で500Hz 〜 という比較的低い帯域から受け継いでいます。
このため大好きな女性ヴォーカルを聴いてもウーファーとスコーカーの繋がりが声の帯域と重ならず滑らかに再生されます。
その反面、このスピーカーの最も中心となるスコーカーのレベル調整を注意をして行わないとNS-1000M本来の真価を発揮できません。
いずれは各ユニットを専用アンプで鳴らすマルチチャンエルに変更したいと思いますが、現在は付属のネットワークを使ってシングルアンプで鳴らしています。
型番最後のMが表すようモニター仕様のフラットな特性のスピーカーで、音そのものが綺麗です。
低音はあまり伸びて居らずやや軽めの低音ですので、エンクロージャーを後ろの壁に近づけ、あまり高く持ち上げないなどの工夫でかなり改善されます。
また、故長岡鉄男氏が、NS-1000Mバスレフ型にする
「NS-1000Mリニューアル計画」も外見を損なわず背面のネットワークを浮かせて低域を手軽に伸ばす方法の一つです。
音場型のスピーカーではありませんが、セッティングによりスピーカーの外側にも音場を広げることもできます。
生産開始から今年で40年経つスピーカーでも、23年間も発売されただけのことはあります。
その点は、エンクロージャーは改良してありますが写真隣のHS-500(WoodWill版HS-500)と同様です。
特にクラシック、しかも小編成の室内楽にはこれしか無いという音も出してくれます。
方式は全くことなりますが、これは以前使っていたQuad ESLに似た音の出方です。
鳴らし方により大きな差が出ると思いますが、上手く鳴らせば現在でも素晴らしいクォリティで音楽を再生できるスピーカーです。
月刊 STEREO誌 2014年3月号『ヴィニジャン 〜アナログの壺〜』~
『改めて世に問う!レーザーターンテーブルの実力』と題してオーディオライターの田中 伊佐資さんとステレオ編集部の吉野 俊介さんが拙宅まで取材にいらっしゃいました。
きっかけは私の気に入っているスピーカー、Lo-D HS-500のエンクロージャーを作っていただいた長野県にあるウッドウィル代表の柴田喜美雄さんの紹介です。
取材と言うと堅苦しそうで緊張しましたが、ジャズにも精通された田中さんのリードでとても楽しく進み、まるでオフ会のような雰囲気でした。
肝心のレーザーターンテーブルの音質も先にお送りして聴いていたCD-Rと比べ随分と違ったようで安心しました。同じマスターからのSACDとレコードの比較でも拙宅のSCD-1より音の圧力や濃度が相当アップしていると感じて頂けたようです。
取材の時にお聴き頂いたレコードとSACD
音出しは、Woodwill版HS-500 と ALTEC A5で試聴をして頂きました。
取材して頂いた時点では内蔵電源を使用していますが、現在はレーザーターンテーブル開発当初のフィニャールが製造した50台のような別電源で動くように改良を進めています。
1972年、まだ高校生の時父親に無理を言って買ってもらったテープデッキです。
まだ 2ヘッド、1モーターが多い中、3 ヘッド、3 モーターの本格的デッキとして高い評価を得ていました。
大切に使っていたためかなり奇麗で40年の時を感じません。
当時はFMのエア・チェックが盛んでしたがこのA-2300で随分といろいろな音楽を録音しました。
使用するオープンテープもいろいろな種類がありソニー、TDK、日立マクセル、富士フイルム、AGFA、Scotch、BASF等々。たまたまScotch 3100という206に近いテープが安く入手出来ていたので、このテープをよく使っていました。
10年くらい前に録音が出来なくなりそのまましまっていましたが、亡くなった父を思い出し、復活させたくなり1ヶ月ほどかけて直しました。
しっかりとしたダイキャストフレームにメカが取り付けられていて、この頃の製品は作りが丁寧で技術者の方々の思い入れが伝わります。
コンデンサーと幾つかのトランジスタ、抵抗を交換して試しに、1kHzと10kHzを0VUで録音してみました。
ヘッドも古いままの録再で、テープとのバイアス、イコライザーが合っていないかもしれませんが、それでも1kHzで-1 、10kHzで-3VUとまあまあの実力です。
A-2300を買ってもらった1972年はアキュフェーズ株式会社が設立された年だったと思います。
アキュフェーズの素晴らしい所は、ユーザーが現在最高と思える機種を持っていても数年後に必ず音質的にも技術的にもそれを超える製品を出し続けられる事です。ユーザーは満足しながら次の夢を安心してみる事が出来るのだと思います。
A-2300のTEACも現在はエソテリックブランドで、アキュフェーズと同様にハイエンドモデルを送り出し、同様にユーザーから信頼されています。
拙宅には40年を超えて現役で鳴り続けている日立(Lo-D)のHS-500というスピーカーがあります。
日立は既にオーディオから撤退していますが、当時は、HS10000などの高級モデルも作っていました。
いまから40年後に一体どんなオーディオ機器が懐かしく思われ、修理され使い続けれれるのでしょうか?
最近レーザーターンテーブルの音質についてメールで問い合わせをいただくようになりました。
その中で多いのが、『ELPのレーザーターンテーブルと改良したレーザーターンテーブルとではどちらが音が良いですか?』 というものです。
改良についてはレーザーターンテーブルの中で多少触れていますが、私は個人的にレコード盤に記録されている音楽信号をレーザーターンテーブルを使って余す事無く取り出したいと思い改良を行っています。
レコードに記録されているありのままの音を引き出す事が私にとっての改良です。
余分な回路やフィルター、補正回路などをカットし、筐体を剛性化や防振対策をしているのもこのためです。
レコード盤に刻まれた音は千差万別です。これを忠実に再生することが目的でそれが必ずしも良い音とは限りません。
音質についてのお問い合わせには下記のようにさせていただいています。
音質についてはELPのハイレゾ型オーディオ基板を積んだものの方が良いと思います。
何故ならば、ELPのホームページの中で、この基板を積んだものは、『CD以上のスペックであるDSDや24bit 96kHzといったハイレゾ音源のデジタル音楽ファイルよりも、より高音質なアナログ・レコードサウンドを再生します。』と書かれています。
技術的な内容は不明ですが、私の改良したレーザーターンテーブルではこのような音の再生は出来ません。
あくまで、レコードに刻まれた音を余すところ無く再生する、それ以上でもそれ以下でもありません。
ご理解いただければ幸いです。
このようにお答えしています。
どんな形であれ、レコード再生に関心を持っていただく事ば嬉しいことですが、同様のご質問については上記でご理解いただけると助かります。
改良は商売として行っておりません。
レコード音楽がお好きで私の考えをご理解いただける方だけに行っております。
整理をしていたら1970年頃、父に買ってもらったカセットデッキTEAC A-20が出てきました。
ここ20年位は使った記憶もありません。
恐る恐る電源を入れてみるとメーターの照明が点きました。ゴムベルトは伸びているか、切れているんだろな〜などと思いながらカセットテープを入れて、プレイボタンを押すと左右のリールが回り、メーターが元気よく動きだしました。
1970年と言えばアジアで初めての「万国博覧会」が大阪で開かれた年でした。
三波春夫の『世界の国からこんにちは』、皆川お
さむの「黒ネコのタンゴ」、ベッツィ&クリス『白い色は恋人の色』、渚ゆう子の「京都の恋」、洋楽ではビートルズ『レット・イット・ビー』、サイモン&ガーファンクル『コンドルは飛んでいく』 、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』などが流行っていてこのデッキで録音したことを思いだしました。我ながら思いますが、このカセットデッキ大切に使ったいたんだな〜と。
また、このカセットデッキ、早送り、巻き戻しが遅い他、特に具合の悪いところがありません。この頃のものは今のものよりしっかりと作られていたんでしょうね。
今年の夏からコツコツと作っていたALTEC A7 miniが完成しました。クラシックは日立のHS-500、ジャズはALTEC A7 というスピーカーのお陰で好きになったと言えます。ALTEC A7は学生時代よく通ったジャズ喫茶に置いてあり、いつも大音量で鳴っていました。ピアノの音が独特で良い音だとは思いませんでしたが、爽快な音は聞いていて気持ちが良かったのだと思います。
このA7 miniでは爽快と言える音量は出せませんが、何となくの雰囲気は持っています。
一番苦労したのはマルチセルラホーン部分です。市販のセルラホーンでは大きさが合わず、かといってストレートホーンではイメージと合わないためこの部分をすべて作りました。
ウーファー(フルレンジユニット)は8cmですが、ホーンロード効果?のためかそれなりの低音も出ます。
このスピーカーで鳴らすアナログレコードのヴォーカルはなかなか味があります。