Best Records 2020
2020年に発売された新譜や復刻されたレコードで、こちらのShop.で輸入したレコードの中から、特に耳をひいた?レコードを店主の独断と偏見でご紹介します。
(新リマスター盤・完全限定盤、また現在プレス切れのレコードなども含みます。)
Shop.で販売するレコードはなるべく多く自身でも購入してお勧め出来るかどうかを決めていますが、音楽は趣味の世界のもので、当然好き嫌いがあります。
音質も再生する環境や再生装置の相性で聞こえ方も違うことをご理解頂きご覧下さい。
今年は全ジャンルで18タイトルと絞り込みました。
音質の ★ は、5ッ星が最も優れていますが、レコードは音質だけで価値が決まりません。
レコード選びの参考にしていただければ幸です。
Classical
J.S.Bach
・オリジナル:Mercury (3-LPSet)
・制作:Analogue Productions
・リマスタリング:トーマス・ファイン
:ライアン・K・スミス
・カッティング:ライアン・K・スミス
・録音:1963年 〜 1965年
・プレス:Quality Record Pressings
・規格:45rpm 200g Stereo 6LP BOX
・音質:★★★★★
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲 45rpm 6LP BOX
<演奏>
ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)
<曲名>
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲
♪ Speakers Corner Recordsから発売されて長年ベストセラーとなっていたシュタルケルの名盤がAnalogue Productionsから45rpm 200g 6LP BOX となっての復刻です。オリジナルの第一世代3Trackマスターテープから直接カッティングされました。
当時の3Track録音はモノラルからステレオへの移行期に開始されましたが、単独楽器の再生にも有効で、一部のステレオ録音にあったような中抜けは無く、また、左右の豊かな残響も自然に取り込める画期的な手法です。
マスターを同じくするSpeakers Corner盤も素晴らしい音で大評盤でしたが、45rpm盤を聴くとまだヴェールがかかっていたのかと思ってしまいます。ただ、45rpm盤はヴェールを剥がされても木目が細かいため荒々しさは感じられません。素晴らしい!
Bruckner
・制作:Berliner Philharmoniker
・録音:2019年5月11日
:ワンポイントステレオ録音
・規格:33rpm 180g 2LP BOX
・その他:ダイレクト・カッティング
・輸入盤:全世界1884枚生産限定盤
・音質:★★★★★
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 33rpm 2LP
<演奏>
ベルナルド・ハイティンク指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
<曲目>
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調
♪ 2019年5月11日に行われたベルナルド・ハイティンクのベルリン・フィルとの最後の演奏会、ブルックナー「交響曲第7番」がダイレクトカットLPで発売されました。
2016年に即完売したサイモン・ラトル指揮「ブラームス交響曲全集」に続くBerliner Philharmonikerのダイレクト・カッティング第2弾となりました。
ブラームス交響曲全集と同じくワンポイント録音(MS方式)を踏襲しながら空間の雰囲気までも取り込むために2本のアンビエンス・マイクを追加し、よりホールのリアリティ感が増しています。
50年代に一斉を風靡したDECCA録音に近いマイク構成ながら、音の捉え方が当時とは異なっていて、オーケストラ録音の深さを感じてしまいます。
今回の録音はレコードのみで発売され他のフォーマットでの発売予定は無いそうです。
また、引退してしまったハイティンクの5回目のブルックナー交響曲第7番の解釈にも注目せざるを得ません。
Berlioz
・オリジナル:harmonia mundi
・制作:harmonia mundi
・録音:2019年7月16、17日
・規格:33rpm 180g Stereo 2LP
・その他:日本語解説書付き、輸入盤
・音質:★★★★★
ベルリオーズ:《幻想交響曲》他 33rpm 2LP
<演奏>
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮
レ・シエクル
<曲目>
ベルリオーズ :幻想交響曲
:序曲《宗教裁判官》
♪ ベルリオーズ没後150周年最大の話題盤、ロトと手兵レ・シエクルの最新録音による《幻想交響曲》が早くもレコードで発売されます。
ロトはベルリオーズの幻想交響曲の自筆楽譜やスケッチを丹念に調べ、現代オーケストラで使用されるチューバ・ユーフォニアムの代わりに当時のオフィクレイドやセルパン等の古典楽器を使用し、ハープも4台使用するなどしてベルリオーズの描いた幻想交響曲を忠実に再現しようとしています。
幻想交響曲の認識を覆す最新録音をぜひお聴き下さい。
♪ harmonia mundi が力を入れただけ有り現代の幻想交響曲だと思います。音質はホールトーンが豊で、解像度の低いシステムがと団子になってしまいそうです。しかし解像度が高ければ幻想交響曲の複雑な管弦楽法の中にもピントのしっかりした各楽器を探せます。
小型のスピーカーで再生したときは正直こんなもの?と思いましたが、大型スピーカーで音量を上げて聞いたときに真価を発揮してくれました。流石harmonia mundi です。オーケストラのチェックにもお勧めのレコードです。
Bartók
・オリジナル:PENTATONE
・制作:PENTATONE
・録音:2004年5月12日、13日
・規格:33rpm 180g Stereo 2LP
・その他:日本語解説書付き、輸入盤
・音質:★★★★★
バルトーク:オーケストラのための協奏曲 45rpm 2LP
<演奏>
ユリア・フィッシャー(vn)
ヤコフ・クライツベルク指揮/ロシア・ナショナル管弦楽団
<曲目>
ハチャトゥリアン | :ヴァイオリン協奏曲 二短調 |
プロコフィエフ |
:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 |
グラズノフ |
:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 |
♪ ユリア・フィッシャー21歳のデビュー・アルバムですが、圧倒的なテクニックと情熱的で表情豊かな演奏は、決して多くないハチャトゥリアンやグラズノフの名演と言えます。
当時日本音楽財団から貸与されていた名器ストラディヴァリウス 1716年製『ブース』の濃厚で力強い音色を楽しめます。
録音も素晴らしく、特に立体的に聞こえる音場は、ハイエンド、マルチチャンネル・サラウンド・レコーディングに特化したクラシック専門レーベル PENTATONEの独壇場です。
Tchaikovsky / Shostakovich
・オリジナル:Challenge Classics
・制作:Challenge Classics
・録音:2016年5月2日 〜 4日
・プレス:レコード・インダストリー
・エンジニア:K・ウィルキンソン
・規格:33rpm 180g 2LP BOX
・その他:完全限定盤 Serial No. 付き
・音質:★★★★★
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 他 33rpm 2LP
<演奏>
リナス・ロス(vn)
トーマス・ザンデルリンク指揮/ロンドン交響楽団
<曲目>
チャイコフスキー :ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
ショスタコーヴッチ :ヴァイオリン協奏曲第2番 嬰ハ短調
♪ 演奏は勿論、録音の素晴らしさでも話題となったリナス・ロスのチャイコフスキー、ショスタコーヴッチのヴァイオリン協奏曲です。
指揮者のトーマス・ザンデルリングは、クルト・ザンデルリングの子供で、父の血を引きチャイコフスキーやロシアの音楽を得意としていて、ロンドン交響楽団を大変上手くコントロールしています。
ロスは、1703年製の「Dancla」を上手く鳴らし、性格の全く異なる協奏曲を引き分けています。
発売元のChallenge ClassicsはCD・SACDで多くの優秀録音盤を出していますが、レコードでの発売は初めてとなります。
マスターはデジタル録音ですが、アナログ化にあたりエンジニアのエリック・ストーム氏は、『可能な限り圧縮せずにレコードに刻むことで、アナログテープとはまた違った素晴らしい音響効果を生む製品が出来る。』と語っているだけあり、ヴァイオリン協奏曲として演奏は勿論、録音においても最高峰と言えます。
The Magic Bow
・オリジナル:PENTATONE、Fone :Channel Classics 他
・制作:Silkroad Music
・録音:2000年〜2019年
・プレス:ドイツ・パラス
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP
・その他:限定盤
・音質:★★★★★
魔 弓 45rpm 2LP
<曲目・演奏者>
パガニーニ | :カプリース第24番 |
ニン・フェン(寧峰) | |
サラサーテ | :ホタ・ナバーラ |
レイチェル・バートン・パイン | |
ヴィヴァルデイ | :合奏協奏曲集《四季》より 冬 |
ジュリアーノ・カルミニョーラ | |
ショパン | :夜想曲第2番 変ホ長調 |
カテリーナ・マヌーキアン | |
イザイ | :無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番 |
ウート・ウーギ | |
J.S.バッハ | :サラバンド |
レイチェル・ポッジャー | |
ベートーベン | :ヴァイオリンソナタ第5番 2楽章 |
サルヴァトーレ・アッカルド | |
ブラームス | :F.A.E.ソナタ |
アラベラ・美歩 | |
J.S.バッハ | :無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番 |
レオニード・コーガン | |
マ・スツォン | :内蒙組曲より |
ルー・シンチン | |
チャイコフスキー | :ヴァイオリン協奏曲 第3楽章 |
ユリア・フィッシャー |
♪ 演奏、録音の特に素晴らしいアルバムとして発売されていたニン・フェン(寧峰)〜ユリア・フィッシャーまで11人のヴァイオリニストの音源を厳選し、各メーカーよりマスターをライセンスして45rpm 2枚のアルバムにまとめたという大変面白い企画盤です。
弦楽器では、チェロ、コントラバスと低音楽器の45rpm盤は発売され好評を得ていますが、ヴァイオリンも45rpm盤は意外に少ないです。
パガニーニのカプリースの出だしを聴いただけでも45rpmの素晴らしさを知ることが出来ます。オーディオチェックレコード、デモンストレーションに絶好のレコードです。
Jazz
Cafe Blue 1STEP 180g 45rpm 2LP
・オリジナル:Premonition
・制作:IMPEX RECORDS
・録音:1994年6月28日 〜 7月1日
・マスタリング:ケヴィン・グレイ
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP BOX
・その他:1 STEPプロセス
:VR900-SUPREME VINYL
・音質:★★★★★
カフェ・ブルー 1 STEP 2LP 豪華BOX仕様
<演奏>
パトリシア・バーバー(vo,p)
ジョン・マクリーン(g)/マイケル・アーノポリ(b) 他
<曲目>
1、ナーディス
2、蜜の味
3、カーニバルの朝 他・全12曲
♪ 45rpm復刻盤に力を入れているIMPEX RECORDS。
スーパー・ギタートリオの45rpm盤の次はパトリシア・バーバーの名盤に目を付けました。
元々録音が良く33rpm盤でも評価が高かったのですが、今度はケヴィン・グレイを迎えスタンパーを使わずラッカー盤で直にプレスする 1 STEPプロセスとVR900-SUPREME VINYLによりノイズが少なくディテールのハッキリとし、伸び伸びとした低音を可能にしました。
♪ 発売が1年近くも遅れたのは新型コロナの影響だけでは無かったようです。33rpm盤も素晴らしく高音質だと思っていましたが、1 STEPプロセスに加え、ケヴィン・グレイのリマスタリングも素晴らしく曲の雰囲気まで変わったように聴こえます。
この2〜3年の間に聴いたレコードの中で音質的にはベスト3に入る超高音質盤です。
スーパー・ギター・トリオの音質も素晴らしいのですが、カフェ・ブルーは更にもの凄い音質です。
Sings 'Waltz For Debby'
・オリジナル:Paddle Wheel
・制作:King Record
・録音:2004年4月20日、21日
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP
・その他:国内プレス盤
・音質:★★★★★
シングズ・ワルツ・フォー・デビー 45rpm 2LP
<演奏>
シェリル・ベンティーン(vo)
ケニー・バロン(p)/レイ・ドラモンド(b)
<曲目>
1、ワルツ・フォー・デビー
2、バット・ビューティフル
3、ブルー・ムーン 他・全12曲
♪ 1979年からマンハッタン・トランスファーのヴォーカル・メンバーとして参加し、グラミー賞では各部門で9回も授賞しました。
ソロシンガーとしての活動も長く名手ケニー・バロンをバックに有名スタンダード曲をしっとりと唄ったこの作品は、安定感のある歌唱力はもちろん、録音の良さでも定評があり、ヴォーカルファン、アナログファン、オーディオファンからも高音質盤レコードが望まれていました。
2004年度「スイングジャーナル誌選定ゴールドディスク・最優秀録音賞(ヴォーカル部門)」受賞作品です。
♪ 1 曲目の「ラスト・ナイト・ホエン・ウィー・ワー・ヤング」は無伴奏のベンティーンの『ラスト』と歌った後の『ナイト・ホエン・ウィー・ワー・ヤング 〜>』からピアノ、ベースの伴奏がアウフタクトのように入りますが、ここの出だしだけでまいってしまいました。
むかしCDで何度も聴いていますが、良いです!、レコードは素晴らしい!、聴き進んでいくと、もう満足感いっぱいです。
未だに国内プレスは良くないと言っている方に是非聴いて欲しいです。
曲間の無音部分でここまで静かなレコードは輸入盤でもそう沢山はありません。
曲間で何らかのノイズがあると言うことは、音楽の途中でもノイズがあると言うことです。演奏・音質共にお勧めのレコードです。
In the Still of the Night
・オリジナル:MOCO RECORDS
・制作:King International
・録音:2017年
・規格:45rpm 180g 2LP Stereo
・その他:国内プレス盤
・音質:★★★★★
夜の静けさに 45rpm 2LP
<演奏>
カラブリア・フォーティ(vo)
マイケル・パターソン(p)/エディ・ダニエルズ(cl) 他
<曲目>
1、ナイト & ディ
2、夜の静けさに
3、エヴリ・タイム・ウィー・セイ・グッバイ 他・全11曲
♪ 立て続けに高音質 LP 盤を発売し、ヒットを続けているアメリカ人女性ジャズボーカリスト、カラブリア・フォーティが歌うコールポーター作品集「夜の静けさに」が発売されました。
スモール・ジャズコンボをバックにして歌うカラブリア・フォーティの何と魅力的なことか。
♪ 3タイトル出ているカラブリア・フォーティのアルバムの中では、最も音質の良いアルバムです。
Friday Night In San Francisco
・オリジナル:
・制作:IMPEX RECORDS
・録音:1980年12月5日、1981年5月
・リマスタリング:B・グランドマン
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP
・その他:3チャンネル・オリジナル
:アナログマスターから複刻
・音質:★★★★★
フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ 45rpm 2LP
<演奏>
アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシア(g)
<曲名>
1、地中海の舞踏/広い河
2、黒い森
3、フレボ 他・全5曲
♪ コメントすることが出来ないほどの超絶名演奏。
それが何と同レコードの33rpm盤を出したIMPEX RECORDSから45rpm盤が出てWセールスになるとは・・・
ルグラン・ジャズが33rpm、45rpm共に素晴らしい出来映えでベストセラーとなった事で、45rpmの敷居が低くなったようですね。
これは大歓迎です!! 音質を2年以上もプレス切れが続いているOriginal Recordings Group の同45rpm盤と比べると、僅かですが音の木目が細かくて柔らかく、S/Nが良いと思います。
個人的な好みはこのIMPEX盤です。
A Day In The Life
・オリジナル:Chasing the Dragon
・制作:Chasing the Dragon
・録音:2019年
・規格:33rpm 180g Stereo LP
・その他:Direct Cuting Record
・音質:★★★★★
ア・ディ・イン・ザ・ライフ 33rpm LP D2D
<演奏>
クエンティン・コリンズ(tp,flu)
ジェイソン・レベロ(p)/ジョー・サンダース(b) 他
<曲目>
1、アンゴラ
2、言っていない
3、パクソス/アンチパクソス
4、オオリキ・バレー 他・全6曲
♪ Chasing the Dragon 初のジャズ・アルバムです。
実際に聴きましたがこれ程リアルで暖かなサウンドは滅多に聴けません。各楽器にピントがしっかりと合っていて、しかも柔らかな音は正に完璧と言えるサウンドで、何とも言えない開放感も素晴らしい。33rpmでもこれだけの再生音が出せるという良いお手本ともなるアルバムです。集録された曲も親しみやすいものばかりです。
Chasing the Dragon恐るべし!USAのアブソリュート・サウンドのお墨付きも納得のお薦めアルバムです。
Wood Special Edition 45rpm
・オリジナル:King Record
・制作:King Record
・録音:2001年
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP
・その他:国内プレス盤
・音質:★★★★★
ウッド Special Edition 45rpm 2LP
<演奏>
ブライアン・ブロンバーグ(b)
ランディ・ウォルドマン(p)/デヴィッド・ブロンバーグ(ds)
<曲目>
1、ザ・サーガ・オブ・ハリソン・クラブフェザーズ
2、ドルフィン・ダンス 他・全11曲
♪ 振幅を大きく取り余裕のカッティングで高音質で大評判だったWOODが 45rpm 180g 2LPで発売されました。
すでに33rpm 盤をご購入頂いた方には聴き比べ音源として格好のレコードです。オーディオチェックレコードとしてお勧めのタイトルです。
♪レコード盤に針を下ろし、ベースの弦の振動が聴こえた瞬間にこのレコードは凄い感じるはずです。また、ソロとトリオのバランスが素晴らしく、アルバムとして完成されています。33rpm盤を購入しましたが、45rpm盤も購入してしまいました。
Popular
Music Of The Underground Railroad
・オリジナルレーベル:Yarlung Records
・制作:Yarlung Records
・録音:2018年10月
・カッティング:バーニー・グランドマン
・規格:45rpm 180g Stereo LP
地下鉄の歌 45rpm LP
<演奏>
ライフライン・クァルテット
ミシェル・メイン・グレイブス/マイケル・フィッツジェラルド
クイントンフィッツジェラルド/ウォルター・ペニマンII (vo)
<曲目>
1、誰かを助けることができれば
2、イエスを奪う
3、母のない子 他・全12曲
♪ ミシェル・メイン・グレイブスをリーダーとするア・カペラのゴスペル四重唱です。
人間の声の力強さに圧倒されてしまうアルバムです。
レンジが決して広い訳ではありませんが、中域がモリモリの音源を余すところなく再生するのは結構むずかしいと思います。
ドン・シャリ(低音と高音を強調して良い音のようにごまかす)なシステムでは中抜け状態になってしまい迫力のあるヴォーカルは望めません。中音域のしっかりしたシステムでリアルな魂の叫びを是非お聴き下さい。
Look Up Child
・オリジナル:Centricity
・制作:Centricity
・録音:2017年 〜 2018年
・マスタリング:バーニー・グランドマン
・プレス:Quality Record Pressings
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP
ルック・アップ・チャイルド 45rpm 2LP
<演奏>
ローレン・デイグル (vo)
ドウェイン・ラーリング、アキル・トンプソン(g) 他
<曲目>
1、スティル・ローリング・ストーンズ
2、リメンバー
3、レスキュー 他・全13曲
♪ アメリカでジャンル分けをするとクリスチャン・ミュージックに分類されるそうですが、ジャンルに拘ること無く、デイグルの少しハスキーで説得力がありエネルギッシュな歌声が素晴らしいアルバムです。
26人の生のストリングスも美しくピアノ、ベースも良いバランスで収録されています。アルバムタイトルの「ルック・アップ・チャイルド」、一度聴いたら忘れられない「リメンバー」など聞き応えのある曲が満載です。
マスタリングが、バーニー・グランドマン、プレスがQuality Record Pressings、そして45rpmという高音質のバックアップも強力です。こんな時代だからこそお聴き頂きたい1枚です。
Genius Loves Company
・オリジナル:Concord
・制作:Concord
・録音:2003年6月 〜 2004年4月
・規格:45rpm 180g Stereo 2LP
永遠の愛 (デュエット) 45rpm 2LP
<演奏>
レイ・チャールズ(vo,p)
<曲目>
1、ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン ノラ・ジョーンズ
2、悲しみのバラード エルトン・ジョン
3、ユー・ドント・ノー・ミー ダイアナ・クラール他・全13曲
♪ レイ・チャールズ自身が選曲、唯一の全曲デュエット・アルバムであり、8つのグラミー賞を受賞した遺作アルバム、そして最も売れたアルバムとなりました。 45rpm盤と言うこともあり音質は素晴らしく、それぞれの曲に合ったアレンジが施されついつい全曲を聴いてしまいます。
33rpmの高音質盤が発売されましたが、こちらの方が良い音でした。
どのデュエットも心にグイグイと来ますが、個人的にはエルトン・ジョンと歌った《哀しみのバラード》にやられました。
とにかく声!人の声は最高の楽器だと思わせてくれるレコードです。
第47回グラミー賞においてレイ・チャールズの遺作『永遠の愛』が「年間最優秀アルバム」「年間最優秀レコード受賞」を含む計8部門で受賞しました。
Abbey Road
・オリジナル:Capitol
・制作:Capitol
・録音:1969年2月22日 〜 8月18日
・リマスター:ジャイルズ・マーティン
・プレス:Quality Record Pressings
・規格:33rpm 180g Stereo LP
アビー・ロード 33rpm LP
<演奏>
ザ・ビートルズ
<曲目>
1、カム・トゥゲザー
2、サムシング
3、ビコーズ 他・全13曲
♪ Quality Record Pressings のプレス盤です。
いろいろなリマスター盤など多くのレコードが発売されました。Universal がザ・ビートルズのBOXを出したのでつい買ってしまいましたがガッカリしました。それとは明らかに別物です。
曲の素晴らしさは改めて書くことは有りませんが、マスタリングとプレスによってここまで音質が異なるという良い例です。
他のレコードでは聴き取れなかったような細かな音まで聴こえてくるのでビックリします。
難点は、良い音なのでどんどんヴォリュームを上げてしまうことです。 ザ・ビートルズのアルバム中最も完成度の高いアルバムです。
No Secrets
・オリジナル:Elektra
・制作:Speakers Corner Records
・録音:1972年9月 〜 10月
・プレス:ドイツ・パラス
・規格:33rpm 180g Stereo LP
ノー・シークレッツ 33rpm LP
<演奏>
カーリー・サイモン(vo,p,g)
ジミー・ライアン(g)/M・ジャガー、P・マッカートニー (bco) 他
<曲目>
1、愛する喜び
2、うつろな愛
3、ノー・シークレッツ 他・全10曲
♪ 1972年発売のカーリー・サイモンの大ヒットアルバム。豪華なバックゲストの協力もあり72年にゴールドディスク、97年にはプラチナディスクを獲得した名盤中の名盤です。
幾つかのメーカーからも複刻されて来ましたが、盤質・音質・ジャケットが今一つで何度もがっかりしました。
しかし、流石高音質復刻盤専門メーカーのSpeakers Corner Records、自然なまま音質が向上し、声が一段とハスキーに聴こえます。バックミュージシャンの各楽器やコーラスもしっかりと聴き取れるようになり、サイモンとの距離感までハッキリしました。録音からリマスタリングを含め全てアナログ機器で復刻されていますが、デジタルの必用性を感じさせないアナログなアルバムです。ジャケットも文句なしです。
American Standard
・オリジナル:Fantasy
・制作:Fantasy
・録音:2020年2月28日
・規格:33rpm 180g Stereo LP
アメリカン・スタンダード 33rpm LP
<演奏>
ジェームス・テイラー
ラリー・ゴールディングス(key)/スチュアート・ダンカン(vn) 他
<曲目>
1、マイ・ブルー・ヘヴン
2、ムーン・リヴァー
3、ニアネス・オブ・ユー 他・全14曲
♪ ジェームス・テイラー 20枚目、5年振りの新作が45rpmのレコードでも発売です。
アメリカのスタンダードと言える名曲を厳選して歌っていますが、皆アコースティクで優しい歌声は健在です。
選曲も良く正にアメリカン・スタンダードと言える曲ばかりです。
アコースティックでシンプルなバック編成のため、ヴォーカルも生き生きし、音の鮮度が高く自然です。45rpmの威力で切れの良さも際立っています。