ヘッドシェル リング
約40年前オーディオメーカーに在職していた時、KP-1100というプレーヤーの商品企画に携わっていました。 試作品が完成した頃にDLアームの担当者から『カートリッジのヘッドシェルに付いているゴム製リングを交換すると随分音が変わるんですよ!』と聞いた事がありました。
KP-1100が発売された1985年当時はCDが火付け役となりオーディオ全盛期、各メーカーがオーディオ雑誌の秋のベストバイコンポ等に間に合わせる為しのぎを削っていました。『ゴム製リング』は気になっていましたが、KP-1100の記事掲載をして頂くため、オーディオ評論家の先生宅での試聴や、
製品説明などでバタバタとしていて付属のシェルまで手が回らずKP-800、KP-700Dと共通のヘッドシェル(シェルリングもそのまま)になりました。
彼は、KP1100に付属のヘッドシェル付属のリングに『ハネナイト製リング』を使いたかったのだと思います。
プレーヤーの発売から40年近く経ちようやく自身のプレーヤーでその実装・試聴ができました。
カートリッジ、ヘッドシェル、リード線は常に注目されますが、ヘッドシェルとアームの接合部にあるシェルリングはあまり注目されていないと思います。
アームの専門家ではないので、具体的な数値で説明できませんが、アームはカートリッジ → ヘッドシェルから伝達される振動・共振の影響を受けていて、それは良く言われる低域共振だけではないと思います。
シェルリングは、ヘッドシェルからアームへの振動吸収材として作用することは容易に考えられます。
私の体験では、シェルリングに硬質(振動吸収のない)素材を使用すると再生音自体も硬質になりました。
多くのシェルリングはゴム系の素材が使われていますが、ゴムには多くの種類があり振動吸収も異なります。
また、ヘッドシェルとアームに挟まれ経年変化により特性も変化してしまいます。
針と同様に消耗品として考えても良さそうです。
シェルリングによる音の変化は私の駄耳で聞いてもそれぞれ異なりました。
音が柔らかくなるものや固めに締まるもの、音の定位が絞られるものや、少し広がるもの、ヴォーカルの後ろのエコーが明確に聞こえるもの、ベースが弾けるものや伸びるように聞こえるもの、S/Nが上がり静かになったように聞こえるものなど素材により違います。
アームの材質、ヘッドシェルの材質により合う、合わないは様々だと思います。
この9種類のシェルリングの中からお好みに合うものが見つかれば幸です。
透明の素材もあり写真ではハッキリしませんが、9種類あります。
シェルリングの材質 | 厚さ | 材質の主な特徴 |
1、クロロプレン | 0.5mm | :天然ゴムが持つ長所に加えて安定した特性で反発弾性も適度です。 |
2、ハネナイト 1 | 0.5mm | :一般のゴムに比べ約20倍の防振効果を持つ特殊ゴムです。(軟性) |
ハネナイト 2 | 1.0mm |
:上記ハネナイトを2倍の厚さにした強防振仕様の特殊ゴムです。(軟性) |
3、ハネナイト 3 |
0.5mm |
:より硬質なハネナイト素材で防振振動周波数が高くなります。(硬性) |
4、ウレタン 1 | 0.5mm |
:一般ゴムの防振効果とプラスティックの剛性を持つ二刀流素材です。 |
ウレタン 2 | 0.1mm |
:耐疲労性に強く、誘電損失が大きい特徴があります。 |
5、シリコン | 0.5mm | :防振効果は弱い反面、耐熱・耐寒などの温度特性に優れる安定した素材 |
ビ二ル | 0.2mm | :非結晶性プラスチックで、誘電率が高く、高周波絶縁性は良くありません。 |
6、フッ素ポリマー |
0.2mm |
:接触角が非常に大きく、固体材料中最小の表面エネルギーしか持ちません。 |
ヘッドシェル リング 9点セット
9種類の素材や厚さの異なるヘッドシェルリングを1セットにまとめました。
6っの小型ケースに素材別に9ヶのシェルリングを収めています。
多くのシェルリングは0.3mm 〜 0,7mm程の厚さですが、こちらでは0.2mm 〜 1 mm程の厚さとなります。
シェルリングを変更すると音は変化しますが、ヘッドシェル、アームにより同一シェルリングでも同様には変化しないと思います。
この中からご自身のシステムに合うものが見つかれば幸です。
⭐️在庫は用意してありますが、在庫が切れますと全部揃うまでお時間を頂くと思ます。
ご了承ください。
¥2,400
税込 / 送料別途
次の地域は送料無料: 全ての地域を表示 詳細を閉じる
ご注意(交換はすべてご自身の責任で行ってください。)
・ユニバーサル型トーンアームに取り付けが出来るヘッドシェルに適応します。
・カートリッジをアームから外す際には必ずアンプのヴォリュームは絞り、アームをアームレスト等に
固定して、アームの動作部分に負担をかけないで下さい。
・シェルリングの素材によりヘッドシェルのセンターピンにより奥まで入れづらいものがあります。
その際は、センターピンに当たるリングの部分を軽くつまんで奥まで入れて下さい。
ヘッドシェル リングをご購入頂いたお客様から感想を頂きました。
☆想定していた以上に音が変わりました。
ヘッドシェル リングを早速使用させて頂きました。想定していた以上に音が変わりました。
ドラムとベースが締まった音が好みですが、フッ素ポリマーとウレタンが良かったように感じました。
良し悪しではなく個性の違いなので、結局のところどれが良いのか悩んでしまいます。
☆リード線を買う前に験しておけば良かったと後悔しました。
30年振りにオーディオに復帰してまずは入り口からと思いデノンのカートリッジとシェルを繫ぐ
リード線の交換をしました。奮発して1万5千円も出して純銀+6N銅のリード線に変えましたが、
あまり効果がありません。
駄目元でヘッドシェル・リングのウレタンを験したところ、低音が伸びで高音が柔らかくなりました。
リード線を買う前に験しておけば良かったと後悔しました。
☆変わった
こんなもので(失礼)こんなに音が変わるとはおもわなかった。
ゴムを変えるだけで音が変わった。狐につままれたようだ。
自宅ではハネナイトが良かった。面白いものをありがとう。
☆シェル リング早速使って見ました。結構変わるものですね。
自宅のシステムでは
・ハネナイト 1
・シリコンが好いです。
ピアノを良くかけるのでタッチがハッキリして爽快なところが好いです。
気に入りました。
☆お世話になっております。
ヘッドシェルリングを試してみました。
【使用機器】
アナログプレーヤー:ラックスマン PD-191A
トーンアーム:グランツ MH-1200S
カートリッジ:オルトフォン SPU-SYNERGY
【試聴曲】
バッハ / 無伴奏ヴァイオリンソナタ (ヒラリー・ハーン)
ヴァイオリンの音のツヤ、深みの望ましいものを選び、キツめの音のものは除きました。
十分な比較時間ではないことと視聴曲が一曲だけですが、その中でも良いと思ったのは以下の3点です。
・クロロプレン 0.5mm
・ハネナイト2 1.0mm
・シリコン 0.5mm
一つ選ぶとしたら1と2は迷うところです。
現在シェルリングは使用していませんでした。
この何年かで購入したヘッドシェルにリングは付属してなかったように記憶してますので、
忘れていたアクセサリーでしたが、色々と試してみようかと思います。
今後ともよろしくお願いします。
☆いつもたいへんお世話になっております。
いろいろ楽しませていただきました。それぞれ良いところがあるので迷ってます。
当分の間は迷いながら聞き比べて、どれが一番良いか決めます。
面白いものをありがとうございました。
☆お世話になります。
早速ですが、送って頂いたシェルリング試してみたのですが、物凄い激変ぶりで、ビックリです。
取り敢えず
・ハネナイト 2 1.0mmでためしたのですが、もうこれだけで良いんじゃないか?
と思うぐらい音が前に飛んできて、ラウド感が凄く高価な電源ケーブルに交換した感じの変化です。
【使用機器】
アナログプレーヤー:MICRO
トーンアーム:SAEC WE309/SME3009
カートリッジ:オーディオテクニカ AT33EV
他の人にも紹介したい気分です。ありがとうございました。
☆いつもありがとうございます。
自分のヘッドシェルにはリングは付いていませんでした。
使って見ると今まで中音が張っていて硬質だったのが自然で柔らかくなりました。
以前はカートリッジの交換も考えていましたが、(DL-103 → DL103Rへ)
リングの追加でカートリッジは交換しなくても満足できるようになりました。
一番柔らかくなったのが
・シリコン 0.5mm
・ウレタン 0.5mm この二つが良い結果でした。
【使用機器】
アナログプレーヤー:YAMAHA GT-2000L
カートリッジ:DENON DL-103
CPバツグンの買い物でした。重ねてありがとうございました。