お客様から、「同じレコードなのに価格に違いがあるのはなぜですか?」と質問を頂きました。
最初は販売店による価格の違いのことかと思いましたが、詳しいメールを頂き調べたところ、同一原盤による製造メーカーの違いでした。
百聞は一見にしかず? 大型量販店での価格表示をお借りしてみると下記のようになります。
(下記のUniversal盤は当Shop.では販売していないレコードですので価格をお借りしました。)
Universal盤
¥2,937
clearaudio盤
¥5,389 → ¥4,300
ジャケットをご覧頂いただけでおわかりの方もいらっしゃると思いますが、1978年 カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名盤、シューベルト:交響曲第8番・3番です。
ジャケットはほぼ同じで当然レーベルはドイツ・グラムフォンです。
左側は、Universalが製造したレコード、右側がclearaudio
が製造・販売しているレコードです。(当Shop.でも販売中)
どちらも音源は同じドイツ・グラムフォンですが、マスタリングとプレス、盤質が違うため当然一番大切な音質も異なります。
どちらが良いと言うことでは無く、同じレコードのように見えても実際には異なっていると言うことを知って頂ければ良いのです。
レコードによってはジャケットが全く同じ場合もあります。
Universal盤
¥2,937
Speakers Corner 盤
¥6,253 → ¥3,900
こちらはクリフォード・カーゾン(ピアノ)、ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団の名盤、ブラームス:ピアノ協奏曲第1番です。
ジャケットは同じでレーベルはDECCA、左側はUniversalが製造したレコード、右側がSpeakers Corner Records
が製造・販売しているレコードです。
ジャケットだけ見ると全く同じレコードのようです。
これ以外にも同様な沢山のレコードがあり、製造メーカーをしっかり確認しないとわかりません。
価格に2倍近い差がありますので、どちらを選ばれるかはお客様が決めることですが、違いを知らずに購入することは良くありません。
1年位前に複刻盤メーカーの交渉担当者から教えてもらった事ですが、グラムフォン、フィリップス、EMI、DECCAのクラシックメーカーがUniversalに統合され(現在EMIはWarnerに移ったようです)、それまでは複刻盤メーカーに緩かった使用許諾が厳しくなり、Universal自体でもレコードの販売を復活させて行くと言うことでした。
確かにUniversalから出てくるレコードはかなり増えてきました。
Analogue Productionsがクラシックの複刻盤に進出する際RCAを選んだこと、Speakers Corner Recordsの
新譜がグラムフォンやDECCAだけで無くCBS等が増えたことなどは上記に関係しているかも知れません。