復活から半年後、ようやくNS-1000Mのマルチアンプ化に踏み切りました。
NS-1000Mをマルチアンプ駆動させるために内蔵されているネットワークを取り外しました。
写真以外にもコイルや更に大きなコンデンサーなどもあり、かなり力を入れたネットワークだと思います。
電解コンデンサーを使いながらあれだけ繋がりの良い音を聴かせることは至難の業では無いでしょうか。
でも、ネットワークに使われているコンデンサーや抵抗などを排除してアンプの出力を各スピーカーにダイレクトに伝えたらもっと良い音になるのでは・・・・
ALTEC A5もHS-500もマルチアンプにして生まれ変わったので
NS-1000Mも同様にしてみました。
内蔵のネットワークのクロスオーバー周波数は、500Hzと6,000Hz、-12dBOct 正相で繋がれています。
NS-1000Mの復活から半年間ネットワークでじっくり聴いたので、細かな特徴までわかったつもりです。
まずは※dbx DriveRack4800を使い付属のネットワークと同じクロスオーバー周波数で繋いでみました。
ネットワークを同じクロスオーバー周波数で繋いだだけでも音は変わりました。
元々透明感のあるスピーカーでしたが、より透明度が増したような鳴り方で、低域まで見晴らしが良くなりかなり満足のいく音となりました。
しかし、ネットワークでも感じていましたが、高域に独特の華やかさがあり良くも悪くもNS-1000Mの特徴として感じられます。
(画像クリックで拡大します。)
オリジナルのネットワークと同様に
fo 〜 500Hz -12dB Oct
500Hz 〜 6,000Hz -12dB Oct
6,000Hz 〜 20,000Hz -12dB Oct
試行錯誤して現在繋いでいる状態図。
500Hzは同様ですが、スコーカーの受け持ち帯域を少し狭め、SWで最低域を伸ばしました。
fo 〜 40Hz -48dB Oct
40Hz 〜 500Hz -12dB Oct
500Hz 〜 4,000Hz -24dB Oct
4,000Hz 〜 20,000Hz -24dB Oct
この華やかさを少しだけ抑えたいと思い、グラフィックイコライザーで5,000Hz〜6,000Hzあたりを1〜2dB程度下げてみましたが途端に輝きが失われてしまいます。
そこで、スコーカーとツィーターのクロスオーバー周波数を変更してみることにしました。
こんな事をネットワーク回路で行えば大変な時間とお金が必要となりますが、DriveRack4800で行えば簡単に変更ができます。
現在は、SWも加えた4Wayで、スコーカーの帯域を若干抑え、その分ツィーターに頑張ってもらっています。
僅かに華やかさが減少しましたが、透明感のある美しい高域は健在です。
以前JBLの4343BXWや4344をマルチアンプで鳴らしていましたが、それらに比べるとNS-1000Mは本当に素直な特性です。
極端かも知れませんが、音のルーツは日本のモニタースピーカーの代表的存在だったDIATONE 2S-305などに
近いのだと思います。
4343や4344は大型エンクロージャーの余裕から圧倒的な力強さはありますが、NS-1000Mのような透明感は出せませんでした。
比較的小型であることや、使用スピーカーの発音位置が近いこともあり音像が大きくならず、音場感も十分に再現できます。
NS-1000Mをマルチ駆動してから1ヶ月も経っていません。
愛情を持って使い込んで行けばさらに良い音を出してくれると思います。
HS-500も誕生から既に40年も経っていますが、音の魅力は衰えるどころか、手を加えることにより最新のスピーカーに負けず音楽を奏でてくれます。
最近拙宅に来られたK&Kさんや、すのゆのさんも同様に聴かれたようです。
HS-500のエンクロージャーをWoodWillで新しく作ってもらいWoodWill版HS-500となったことで、明らかに音のクォリティ、音場感が増したことに味を占めたので、NS-1000MもWoodWillでエンクロージャーを作ってもらおうと計画しています。
私自身驚いていますが、DriveRack4800で僅かな補整しかしていないのに試聴位置でピンクノイズを発生させNS-1000Mで出力しリアルタイムアナライザーで測定したところ図のようになりました。
何ともスゴイスピーカーです。
(横軸はひと目盛り3dBです。)
※dbx DriveRack4800は非常に多機能なスピーカーマネージメントシステムと呼ばれ、AD/DAコンバーターをはじめチャンネルデバイダー、エフェクター、31バンド・グラフィックイコライザー、9バンド・パラメトリックイコライザー、6バンド・ノッチフィルター、ディレイ、リアルタイム・アナライザーなどを一体化し、
デジタル(24bit 96kHz)上で処理を行う非常に多機能な機種です。