アンプの交換などによりクラシックを聴いてもかなり満足できるようになりましたが、A5の他に以前から愛用しているLo-D HS-500の低域を充実させてみたくなりました。
A5よりも付き合いがずっと長い分、殆ど満足のいく音を出してくれるようになりクラシックからジャズ、ポピュラーまで何でも無難に熟してくれます。
オリジナルのHS-500では十分な真価を発揮できませんでしたが、ネットワークを止めマルチにし、エンクロージャーをウッドウィルに依頼して作ってもらってからは40年前のスピーカーという歳月を全く感じさせず、遊びに来ていただいたオーディオ仲間も驚くほどの鳴りっぷりに変身しました。
音質的には何の不満もありませんが、低域の量感はにはちょっと寂しさが残ります。
まあそれは口径20cmのウーファーに望んでも酷というものです。
そこで、HS-500の低域を伸ばすためサブウーファーを追加することにしました。
それまではHS-500本来の2Wayに、高域の味付けにとスーパーツィーターの4PI PLUS.2をLuxmanのAS-55で切替えて A5と共用していました。
(エンクロージャーはウッドウィルにて制作)
HS-500とサブウーファーを上手く繋ぐためにはサブウーファーに内蔵されたもので役不足でどうしてもチャンネルデバイダーが欲しくなります。
音質的にも満足していたDriveRack 260ですが、これには出力が3ch × 2しかなく3Wayまでの対応しか出来ず、4Wayに対応出来るものが必要となりました。
4Wayに対応できるチャンネルデバイダーは少ないため迷わず同じdbxの DriveRack 4800にしました。
本体の高さは2倍になりましたが、DriveRack 260に比べかなりゴチャゴチャンしています。
内蔵のカラー液晶画面を見ながら、一つのボタンを数回押したりしてモードを変更するのですが、不器用な私には不向きで Windows PCを使って操作することにしました。
dbxのホームページよりSystem ArchitectというソフトをDLして使いますが、拙宅のPCは私の好みからMacばかりで、唯一のWindows PCは古いVAIOのノートでしかもOSはXPです。
快適ではありませんが、何とかPC上からDriveRack4800をコントロール出来るようになりました。
今まで、チャンネルデバイダーという言い方で済ませてきましたが、dbxではDriveRackシリーズをスピーカー・マネージメント・システムと呼んでいます。
つまり、DriveRackでスピーカーだけで無く部屋の音響特性までコントロールしてしまおうと言うものです。
例えが良いかどうかわかりませんが、アキュフェーズのヴォイシング・イコライザーにチャンネルデバイダーを追加したようなものです。
私の個人的なお勧めは、まずDriveRackを使って部屋の定在波やでディップやピークを出来るだけ抑えた上で、自分好みの音作りをすることです。
測定してわかりましたが、拙宅では80Hzに大きな定在波がありこれが低音をブーミーにしていた主犯でした。
DriveRack PA+やDriveRack 260は別売のマイクを試聴位置にセットして自動的にスピーカーが出した音と部屋の特性を含めた音をほぼフラット化することが出来ます。( DriveRack 4800は手動で可能。)
フラットに拘る訳ではありませんが、ビデオカメラで本来の色を録画するため一番最初にホワイトバランスを合わせる事と似ていると思います。
まず基準を定めそこからスタートすことが大切で、言い方を変えれば、試聴位置でスピーカーから出る周波数のエネルギー・バランスを部屋の特性も含め均等にしてから自分自身の好みの音にすると言うことです。
System Architect はかなりのスピードでバージョンアップされ、使い始めた当時のVer.1,2 から現在ではVer.3,4にまで上がり、すぐに私の古いXPのノートPCでは対応ができなくなってしまいました。
新しくWindows PCを買うことも考えましたが、予算や更にPCが増えてしまうので、iMacでブートキャンプを使いWindows 8.1のOSを入れて切替えて使うことにしました。
Windows PCしか使わない方は Macで Windows ?などと思われるかも知れませんが、私のように Macしか使わない人間にとって Windows用のソフトしか無い場合などブートキャンプはありがたいものです。
ちょっと横道に逸れてしまいましたが、何の問題も無く iMacで、Windows版のSystem Architect が快適に動いています。
DriveRack 4800でアナログ信号を 24bit 96kHzで AD変換しほぼフラットに近い状態にしてから、好みのイコライジングをしてDA変換してパワーアンプに出力します。
右のグラフは、パラメトリック・イコライザーを使って A5用に自分の好みのイコライジングを行ったものです。
前に使っていたDriveRack 260もそうですが、使い切れないほどの機能が満載されています。
dbx DriveRack シリーズは元々ホールや劇場、スタジオなどの音響設備用として使われているようですが、家庭で使ってもデザインを除けばかなり満足できます。
HS-500のサブ・ウーファー追加でDriveRack 260からDriveRack 4800 に変更となりましたが、A5の音にも変化がありました。