一挙にアンプをローコストのアンプにしましたが、スピーカーのネットワークを使い1台のアンプで鳴らす一般的な方法と、スピーカーのネットワークを使わずチャンネルデバイダー等を使って数台のアンプでスピーカーを鳴らす場合のアンプとでは少し考えを変えた方が良いのかも知れません。
拙宅の場合、当初はオリジナルのネットワークを使って鳴らしていたのはA7でした。
その時点でネットワークよりチャンネルデバイダーを使って鳴らした方が部屋の特性を含めた環境と自分自身の好みの音に近づけ易かったのです。
A5にしても同様で、ネットワークが固定されてしまうと細かい事を除けば繋ぐアンプの影響が大きくなりますが、チャンネルデバイダーを使うとクロスオーバー周波数の僅かな変更や、バンドパスフィルター、位相の微調整等を分割した帯域ごとに可変出来、受け持つ帯域は狭くなるので、1台あたりのアンプの影響は少なくなると思います。
昔からマルチチャンネルに一歩足を踏み入れるともう戻れないと言われますが、確かに私もそう思います。
特に最近のチャンネルデバイダーはデジタル化され価格も下がりました。
試行錯誤して本格的なネットワークを組むより最適なクロスオーバーやバンドパスフィルターの数値を追い込むことができ、自分の想い描く音により簡単に近づくことができます。
アンプの変更から話が逸れてしまいましたが、今回のCROWNの組み合わせは拙宅のALTEC A5には非常に良い選択だったと思います。
D-75Aは出力を欲張らず歪みを押さえた設計のようで真空管アンプのようにしっとりと288ドライバーを鳴らします。力強さはありますが、ホーン独特のうるささは全く感じません。
ちょっと信じて頂けないかも知れませんが、クラシックの弦楽器のしなやかな音色や木管楽器の暖かくふわっとした音色も見事に出せます。
D-75AもBTLによるモノラルアンプにしたため、定位・音場感ともに大満足です。
低域用のXLS-402との相性も良く低域との音色の違和感はありません。
D-75AはBTLとするため2台購入しましたが、一般のパワーアンプと比べて安くて良かったのですが、残念な事に最近生産終了となってしまいました。
デザインも含めて小型で素晴らしいパワーアンプだったと思います。
よく言われたトランスの唸りはありますが、シャーシーとトランスの固定の仕方で随分と変わります。また、面白いのは電源クォリティーの善し悪しで唸りが大きく変わり、以前の製品ですがCSE E-100 /2 というクリーンに挿すと唸りは皆無となります。
以前も書きましたが、A5 はA7 と比べて鳴らしやすいスピーカーだと思います。
実際にD-75Aを使い出したのは A5 になってからですが、特にクロスオーバー周波数を500Hzとした場合、実感として500Hz以上を受け持つドライバーの違いが際立ちます。500Hzは以外に低い音で、余裕を持って出力するには288のように振動板面積が大きいと有利です。
それに加えてD-75AをBTLにしたことはクラシックでも大切な中低域の充実感に大きなメリットだと思います。