1972年、まだ高校生の時父親に無理を言って買ってもらったテープデッキです。
まだ 2ヘッド、1モーターが多い中、3 ヘッド、3 モーターの本格的デッキとして高い評価を得ていました。
大切に使っていたためかなり奇麗で40年の時を感じません。
当時はFMのエア・チェックが盛んでしたがこのA-2300で随分といろいろな音楽を録音しました。
使用するオープンテープもいろいろな種類がありソニー、TDK、日立マクセル、富士フイルム、AGFA、Scotch、BASF等々。たまたまScotch 3100という206に近いテープが安く入手出来ていたので、このテープをよく使っていました。
10年くらい前に録音が出来なくなりそのまましまっていましたが、亡くなった父を思い出し、復活させたくなり1ヶ月ほどかけて直しました。
しっかりとしたダイキャストフレームにメカが取り付けられていて、この頃の製品は作りが丁寧で技術者の方々の思い入れが伝わります。
コンデンサーと幾つかのトランジスタ、抵抗を交換して試しに、1kHzと10kHzを0VUで録音してみました。
ヘッドも古いままの録再で、テープとのバイアス、イコライザーが合っていないかもしれませんが、それでも1kHzで-1 、10kHzで-3VUとまあまあの実力です。
A-2300を買ってもらった1972年はアキュフェーズ株式会社が設立された年だったと思います。
アキュフェーズの素晴らしい所は、ユーザーが現在最高と思える機種を持っていても数年後に必ず音質的にも技術的にもそれを超える製品を出し続けられる事です。ユーザーは満足しながら次の夢を安心してみる事が出来るのだと思います。
A-2300のTEACも現在はエソテリックブランドで、アキュフェーズと同様にハイエンドモデルを送り出し、同様にユーザーから信頼されています。
拙宅には40年を超えて現役で鳴り続けている日立(Lo-D)のHS-500というスピーカーがあります。
日立は既にオーディオから撤退していますが、当時は、HS10000などの高級モデルも作っていました。
いまから40年後に一体どんなオーディオ機器が懐かしく思われ、修理され使い続けれれるのでしょうか?