A7 からA5 にシステムを変更しましたが、つくづく感心するのは A7 もA5 も共通して持っている『音楽を楽しく聴かせる』というアルテックのDNAです。
キャラクターと言ってしまえば一言で終わってしまいますが、今まで使ってきた多くのスピーカーの中でここまで音楽を大らかに聴かせてくれたスピーカーはありません。
この気に入ったスピーカーをより良くするために考えたのはスーパーツィーターの追加でした。
A5 はホーンシステムなので、ホーンで統一するということも含め、手頃でしかも評判が良かったのがFOSTEXのT-90Aでした。
スーパーツィーターの有り、無しでははっきりと音の違いが違いがわかります。
A5 の288ドライバー+1005Bの組み合わせでは14,000Hzあたりからなだらかに高域が落ちていきます。
私の耳には高域が14,000Hz位まで伸びていれば十分なのだと思いますが、音の変化は高域だけでなく低域や雰囲気にも及びました。
チャンネルデバイダーのクロスオーバー周波数やレベルを細かく調整して1ヶ月位追い込むと、だんだん違和感も出てきました。
ジャズやポピュラー系のドラムなどのアタックは気持ちがよい反面、チャンネルデバイダーのレベルをかなり下げてもクラシックの声楽の子音や、オーバーですが、弦楽器がスル・ポンティチェロと指示されたような硬質な傾向の音になります。
T-90Aは、海外の高額システムのツィーターとして使用されている実績もあり決して悪いスーパーツィーターではありません。あくまでも私のシステムとの相性、そして好みによるものと思います。
たまたま同じFOSTEX T500A 2が安く入手できたのでT-90Aと交換してみました。
流石にしとやかで、私の好みにずっと近づきました。
ドラムのハイハットや声も違和感無く、一番気にしていた弦楽器のしなやかさも出てきてかなり良い感触です。
ギターの弦と爪のタッチからギター本体の共振まで良く聴いている生の音と違和感無く再現されます。
ベースの輪郭もより明確になりウッドベースの胴鳴りまで心地よくなりました。
これを期に3Way用のデジタルチャンネルデバイダーをdbx Driverack PAに変更しました。
一番の魅力はメモリー機能です。約25パターンのクロスオーバー周波数やレベルを瞬時に切替えできる上、リモコンならぬノートパソコン画面上でも切替えが出来るため、試聴位置に居ながらの変更が可能です。
アナログ式のチャンネルデバイダーと比べ特に音質的な優位性は感じませんでしたが、メモリー機能などを優先し交換しました。
それからしばらく12,000Hz〜14,000Hzを中心に6db〜24dB/Octで微調整を繰り返しました。
一番良いと思ったのは14,000Hz 6dB/Octでした。
また、dbx Driverack PAには28バンド・グラフィックイコライザー、各出力チャンネルにはパラメトリックイコライザーが内蔵されていて部屋の広さや材質、スピーカーの設置場所などから来る低域のピークを調整できます。私の部屋は定在波の影響で、低域の40Hz 〜80Hzあたりに±10dB以上のピークやデプスがありましたがこれをほぼ平坦化でき、低域の解像度は見違えるほど上がりました。
スーパーツィーターから外れてしまいましたが、部屋の音響特性も含め1台で何役もこなせるdbx Driverack は素晴らしいと思います。
さて、そんな中でFOSTEX T500A 2はすっかりとA5 に馴染みましたがA5 とのわずかな音色の違いが気になり始めました・・・