アルテックのA7 からクラシック音楽を少しでも良い音で聴けるようにするために思いついたのが、A7のクロスオーバー周波数の変更でした。そのためアルテック純正のクロスオーバーネットワークの購入や自作することも考えましたが、アルテックとは別に、こちらも思い入れのある日立のHS-500というスピーカーを通して知り合ったK&Kさんのアドバイスから、マルチチャンネル化してクロスオーバー周波数やゲインを自由に選べるようにしました。
マルチチャンネル化するために必要な物は、ネットワークに変わるチャンネルデバイダーです。
数多くはありませんが、アナログ式、デジタル式のものがあり、先ずは実験と思い比較的安価なアナログ式のdbxの223XSという機種を購入しました。
アンプは自分で手を加えたサンオーディオの真空管パワーアンプ300B (低音用) と2A3 (高音用) の2台を使いました。
クロスオーバーは1.2kHz、フィルターはリンクウィッツ・ライリー(これのみで選択不可)24dB/oct、正相接続で低音と高音のゲインを調整しながら少しずつバランスを取りながら聴いてみました。結果はかなり良いです。
何より気になっていた高音の暴れが減って柔らかい音になっています。
やはりクラシックを聴くためA7のクロスオーバー周波数を1.2kHzにしたことは正解でした。
弦の音を聴くため、慣れているクラシックのレコードをかけました。
レコード時代からのオーディオ・マニアの方なら、どなたでも聴き慣れていて、それを聴けばおおよそのアンプやスピーカー、カートリッジなどの性格がわかってしまうと言うレコードを何枚かお持ちだと思います。
私の場合、一番はこのレコードです。レオンタイン・プライスのソプラノ/カラヤン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団がクリスマスの名曲を演奏したレコード。プライスの声、ウィーンフィルの弦の美しさは1961年の録音でも色褪せていません。
もう40年も聴いているので、演奏以外の暗騒音、床の軋みやハープのペダルの踏み込み音までいつの間にか覚えてしまい、それらの音も音楽の一部のようになってしまいました。
アルテック A7 で聴くクラシック、まだ気になる所もあるけれど、最初に比べるれば随分良とくなりクラシックも聴けるようになりました。プライスの瑞々しい声やウィーンフィル独特の弦の音が鼻にかかってような音色も聴けるようになり、嬉しくて何枚クラシックレコードを聴いたかわかりません。
あまりにクラシックばかり聴いていたので、気分を変えてジャズでも、と、コルトレーンの『マイ・フェイバリット・シングス』のレコードをかけたところ・・・