アルテックと言っても若い方にはピント来ないかも知れませんので簡単にアルテックについて簡単に触れておきます。
CDなど考えることも出来なかった1970年代、アナログレコード全盛時代の憧れのスピーカーと言えば多くのマニアがアメリカのJBLやアルテック(ALTEC)に憧れていたと思います。
アルテックのスタートは、1937年に設立されたアルテックサービスが、1941年にランシング・マニュファクチャリング社(社長はジェーム・B・ランシング)を買収して社名を「アルテック・ランシング」とし、ランシングを技術担当副社長に迎えた時からとなります。
ランシングは副社長と言うより天才的な技術者で、多くの優れたスピーカーを開発し、中でも604ユニット、515ウーファー、288ドライバーなどは現在でも色褪せることがありません。
しかし、ランシングは、5年でアルテックを退職し1946年には自分の名前の頭文字を取った会社”JBL”を設立します。
ここでも優れた能力を発揮しますが・・・
いずれにしてもランシングがアルテックやJBLの基礎となるユニットを創り上げて、それが60年以上経った現在でも通用していることは驚くべきことです。
JBLもアルテックもランシングが開発した優れたユニットから成り立っている訳ですが、もう一つ共通点があります。それは殆どの製品が録音スタジオや映画館、劇場、ホールなどで使われることを前提の業務用であったと言うことです。
アルテックの製品の中で特に映画感や劇場用として1945年〜1955年位に開発・製造されたのが『ヴォイス・オブ・ザ・シアター』と呼ばれる A2、A4、A5、A7、A8 などです。
と言うことで本題に戻しますが、映画館や劇場で使われているA7なら偏りなくどんな音楽でも上手く再生できるだろうと思ったことが苦労のはじまりでした。