ヤーノシュ・シュタルケルは、バッハの無伴奏チェロ組曲を4回録音していますが、一番最初に行われた録音が1963年〜1965年、ニューヨークで行われたMercury(PHILIPS)とのものです。
左の3枚のジャケットはいずれも上記に録音された同じ演奏のレコードで、上段左側から
・Mercury (Speakers Corner Records 独 復刻版)3枚組
・PHILIPS(発売:日本ビクター) 2枚組 SFX-7566〜7
・PHILIPS(発売:日本フォノグラム)2枚組 X-5557 〜58
この3枚を聴き比べると、圧倒的に上段左Speakers Corner Recordsの復刻盤が良い音です。
3枚組のため溝にも余裕があると思いますが、同じ音源なのに驚くほどチェロが朗々と豊に響きます。丁度小ホールの中央席で聴いているような雰囲気に豊かな残響と広がり、シュタルケルの息遣いまでハッキリと自然に聞こえます。
また、輸入盤で一番気になる盤質もSpeakers Corner Records のものは問題ありません。
音質的にも最近購入したシュタルケル4回目のバッハ無伴奏のCDよりも個人的には良いと思います。
シュタルケルと言えば、歴史に残るコダーイの無伴奏チェロソナタ(モノラル)の優秀録音盤も思いだされますが、臨場感ある独特の柔らかい雰囲気の中で、緊張感の高いシュタルケル演奏を言葉では表現出来ません。
多くの方にお聴きいただきたい本物のレコードです。